戦国夜話 

「日本は古代から一つの言語を用いる、一つの民族による、一つの国家を形成してきた」というがそれは正しいのだろうかという問いかけからこの本は始まる。

果たして日本は常に一つだったのか。答えは否だと思われる。特に室町から戦国時代を思い浮かべてみると瞭然だ。足利将軍家は遠国(東北・関東地方と九州)は将軍の意のままにならなくても放っておけばいい(by三宝満済)という考え方を持っていた。そのため、戦国時代の幕開けとなった応仁の乱において、常に在京し政治を行っていた近国の大名のみが戦うこととなり、遠国は全くこの日本を揺るがす10年にも及ぶ戦い干渉しなかった。これによって幕府の無力さが公に示され、足利将軍家は政治的な求心力を失った。長年留守にしていたため衰退し戦国大名としての道を歩むことはできなかった近国の大名とは対照的に、遠国の大名が台頭し戦国大名となった。こうして群雄割拠が始まり、日本は散り散りに分裂した。その後関ヶ原の戦いの後徳川家康によって日本は一つになったと言える。

本書はその関ヶ原前後の、日本が一つになって平和になるか、戦世に戻り小競り合いが続くのかの時期についての話がまとまっていた。

 

以後は自分が気になった話のみとりとめもなく書いていこうと思う。

1.